高城玲のまんが置き場

新人漫画家の思うことだったり告知だったり。

アニメ「バナナフィッシュ」を見て感情が爆発した話

にんじょう【人情】

→1、自然に備わる人間の愛情。慈しみ。慈愛。

 2、人心の自然な動き。

 

広辞苑より)

 

 

こんにちは。

きいです。

 

本日は最近見て感銘を受けまくったアニメ「バナナフィッシュ」

の感想を書き殴ろうと思います。

 

 

 

本当は別のことを書く予定だったのですが、

数日前にアマゾンプライムで見た最終回があまりに衝撃的だったので、

居ても立っても居られなくなりました。

そのため色々と荒ぶってますがご容赦ください。

 

なお、なるべくネタバレは避けるように書くつもりですが、

うっかり口が滑ってしまったら申し訳ありません…

 

 

~~

 

 

アニメ「バナナフィッシュ」は

2019年にノイタミナ枠より全24話で放送されました。

原作である吉田秋生先生の漫画は、

1987年に第一巻がフラワーコミックスより出版されています。

 

あらすじとしては、

ニューヨークのストリートギャングを束ねるボスである少年

「アッシュ・リンクス」と、

平凡な日本人の青年「奥村英二」の出会いを軸に、

「バナナフィッシュ」をめぐる裏組織同士の陰謀や攻防戦を描く…

といったものです。

 

「少女漫画とは思えないほどハードボイルドな内容」

「日本の漫画界に残る名作中の名作」

 

など原作の評価が大変高いため、前々から気になっていたアニメではありました。

 

しかし「BLチックな内容」ということもあり、ずっと視聴を避けていたのです。

今となってはそんな過去の自分を殴りたいほど。

 

確かに、作中では直接的な描写はないにせよ、

「男性同士のそういう行為」を匂わせるシーンもしばしば登場します。

 

初めは正直戸惑いましたが、アニメを全話見た今となっては

主人公「アッシュ・リンクス」のキャラクターを描写する上で必要不可欠な要素

だったと理解しています。

 

並外れた美貌を持つアッシュは、幼い頃より周囲の男達から

性的虐待を受けて育ちます。

生き延びるために人を殺したり、時には自分の体を売ったり、

彼の人生はまさに「壮絶」そのもの。

 

本当に心を許せる数少ない存在だった実の兄や親友も、「バナナフィッシュ」をめぐる争いの中で彼から離れていってしまいます。

 

そんなアッシュをそばで支え続け、闇の世界からすくい上げたのが

日本人の「奥村英二」

 

英二はごく普通の優しい心を持った青年。

ずっと裏社会で生きてきたアッシュとは対極のキャラクターです。

 

バナナフィッシュが名作と呼び声高い理由に、

この対照的な二人の「絶妙な関係」が挙げられます。というかむしろそれが全てです。

 

見方によっては「BL」になってしまうかもしれませんが、

「恋人」や「友達」とも違う、「純粋な人の情愛」…

これが本当にエモいのです。

 

個人的にはこれぞ「人情」なのではと思いました。

 

 

 

 

以前見たテレビ番組で

「ハイパーハードボイルドグルメリポート」

というものがあるのですが、私はバナナフィッシュを見て

この番組のワンシーンを思い出しました。

 

この番組は、ギャング・兵士・難民・貧困者などの

世界各地の危険な場所、危険な仕事をして生きる人物が

「何を食べて暮らしているのか」を伝えるドキュメンタリーもの。

 

私が見た回では、ケニア最大のゴミ山でゴミを売って生活する若者を

取材した時の様子が描かれていました。

貧困・強盗・麻薬が蔓延し、ゴミ山地区はまさに無法地帯そのもの。

 

ディレクターはそんな過酷な世界を取材する中で、一人の少年と出会い、

話をするうちに打ち解けていきます。

 

両親が貧しくて養ってくれないため、ひたすら有毒ガスが立ち込めるゴミ山で

ゴミを拾って売る毎日だと話す少年。

 

ディレクターは彼に

「今幸せか?」

という質問をします。

 

すると少年は穏やかな顔で、

 

「あなたに出会えたから幸せ」

 

と言うのでした。

 

私はこれを見て心の堤防(?)が決壊しました。

というのも、

 

未だかつて、ここまで人との出会いを噛みしめたことがなかったからです。

 

過酷な環境だからこそ、壮絶な人生を送ってきたからこそ、

出会いがよりかけがえのないものになる…

 

そんな所が「バナナフィッシュ」最大の魅力である

「アッシュと英二の関係」

にも通じているように思いました。

 

 

…とまぁ、

熱が入るあまりとっても長くなってしまいましたが、

言いたかったのは

 

「バナナフィッシュマジで凄い」

 

に尽きます。

 

 

こんなに素敵な作品に出会えたおかげで、

私も今幸せだと思えるようになりました。

 

 

それでは、本日はこの辺りで失礼致します!

 

読んで下さってありがとうございました。

 

 

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