高城玲のまんが置き場

新人漫画家の思うことだったり告知だったり。

民族ファンタジー漫画の世界観について

 

 

こんにちは。

 

今更ですが、このブログにはロゴがないことに気付いたので、見よう見まねで作ってみました。

きいです。

 

 

ブログのロゴ

「木衣」なので木と衣です。(スーパー安直)

 

数日前からホーム画面にはさらっとこちらのロゴを出現させていますが、ひとまず(仮)状態なので、またいいロゴを思い付いたら変更するかもしれません。

 

 

…さて。

 

本日は「民と世界の流れ方」「時代背景」について書こうかと思います。

 

 

目次

 

 

ファンタジーだけどモデルは現実世界

 

「たみせか」は架空の大陸を舞台にしていますが、時代背景は現実世界をなぞっているつもりです。

 

例えば、1話冒頭のモノローグ。

1話冒頭

ここで出てくる

魔術を扱う少数民族が「近世までに大規模な迫害を受けた」

というのは、ヨーロッパで13~14世紀頃盛んに行われた"魔女狩り"のことです。

 

「魔術を扱う少数民族~」の部分は完全に私の創作ですが、

不思議な力を持つ者、あるいは社会から孤立した者は「魔女」と見なされ、当時は処刑の対象にされました。

 

余談ですがこの魔女狩り、なぜ始まったかといいますと、

 

・地球規模の寒冷化により、作物が採れなくなり食糧難に。

・それに加えて感染症(ペスト)が流行る。人がバタバタ死ぬ。

・人々の間に不安が蔓延。

→他人への攻撃に繋がったのでは?

 

という説があります。

 

魔女狩り

 

なんとなく、今の状況に似ているのが怖いな~と思います。

(地球規模の温暖化、食糧難、感染症、など…)

 

 

…話はそれましたが、

理不尽な迫害によって数を減らした結果、絶滅の危機に瀕することになったのが主人公アリアのような「魔術師」という設定です。

 

 

物語の舞台は18世紀後半

 

アリアやゼイが暮らしている世界の文明レベルは、18世紀後半頃のつもりです。

 

日本だと江戸時代ですね。

ちょうど浮世絵が全盛期で、喜多川歌麿などが活躍していました。

 

鉄道や電気といった文明の利器(?)はまだ普及してません。

 

 

先日投稿した6話で、さりげなく時代が分かりそうなワードを盛り込みました。

 

6話

 

尹国のドS兵士のセリフ、

 

「西方じゃ民が王を殺すようになった」

 

は、1789年に起こった"フランス革命"を指しています。

 

 

そして2コマ目。

 

 

大変分かりづらくて反省でいっぱいなのですが、

ここにある「機械工場」みたいなものは

イギリスで18世紀~19世紀にかけて始まった"産業革命"のつもりだったのです。

 

 

18世紀という「変化の時代」

 

18世紀はフランス革命などに象徴されるように、人々の考えが変化していった激動の時代でもあります。

 

どう変わったのかと言いますと、これまでは

 

「民は王様や聖職者に従うべし!身分制度バンザイ!」

だったのが、革命をきっかけに

 

「市民だってやればできる!民主主義バンザイ!」

となります。(雑な説明)

 

いわば、「国」や「国民」といった今に通じる概念がぼんやりと作られていったのがこの時代です。

 

国民の誕生

 

 

同時に、ヨーロッパでは今までキリスト教「聖書」に基づいた暮らしをしていたのが、次第に「科学」「倫理」といったものに置き換わっていきます。

 

具体的には、キリスト教式のカレンダーを廃止し、新しい暦を作ろうとしたり、これまでバラバラだった重さや長さの単位を統一したり…といった感じです。

 

そうです。

私たちが今使っている「メートル」「グラム」「リットル」なんかの単位はこの時、フランス革命のおかげで生まれたのです!

 

私はヨーロッパに興味がないヨーロッパ史専攻(最悪)だったのですが、

この辺りの出来事は素直に面白いな~と思っていました。

 

まさに「古いものが淘汰され、新しいものを追い求める時代」になっていくのです。

 

 

民族の誕生

 

この時重要になってくるのが、

「国」や「国民」という概念が生まれたことで、同じく"民族"という考え方が生まれたことです!

 

みんなを団結させて一つの「国」を作るには、「私たちは共通の民族だ!」という意識が必要だからです。

 

例を挙げますと、

シンデレラなどで有名なグリム童話」(1812年は、

「ドイツの伝統的な昔話」を集めることで、人々に「ドイツ民族」としての意識を植え付ける役割があったと言われています。

 

 

…しかし、ここで問題になってくるのが、その「私たちは共通の民族だ!」の流れに入れない人たち、

つまり国内にいる少数民族たちへの差別です。

 

 

ということで、「たみせか」のテーマである「民族問題」が起こってきたのは、まさに18世紀頃だったのです…というお話でした。

 

 

民族問題

(↑民族問題をだいぶこじらせてる人の例)

 

尹国では「レト族=大切な観光資源」となっているのでまだいいですが、(よくないですが)現実世界のこの時代には伝統を否定されたり、抑圧されて滅ぼされた民族も多々いたことでしょう。

 

 

また長くなってしまいましたが、以上が「たみせか」のモデルである18世紀の「世界の流れ方」なのでした。

 

 

あと今更ですが、

 

自分の漫画の解説を自分でするって中々恥ずかしいですね。

 

 

それでは、本日はこの辺りで失礼致します!