※画像は思いっきり「ハト」です。
今週のお題「ねこ」
というものがあるのを今知りました。
週ごとにお題が決められているんですね。
面白そうなので乗っかってみることにしました。
…最初に言っておきますと、この記事の内容は
「ほのぼのにゃんことの思い出(ポップ体)」
みたいなものではありません。むしろ逆です。
我が一家では、猫を見かけたらまず
「敵だと思え」
という教えがあるからです。
この教訓は母親を主導に発令され、幼い頃から私は
「猫と母親の仁義なき戦い」
を見て育ってきました。
なぜこんなことになっているのか。
母親と猫の因縁は遥か昔にさかのぼります。
曰く、母親が小学生の時。
隣の家は「猫屋敷」だったそう。
決して広いとは言えない敷地に何匹もの猫が住み着き、きちんとした去勢手術も受けさせていなかったため、数はどんどん増えていきました。
果てには隣にある母の家にまで猫が勝手に入り込み、所かまわず糞をまき散らすといった「プチ惨状状態」に。
当然、お隣さんとは猫問題をめぐって対立の毎日。
母&祖母が言うには、ご近所仲は
「最悪オブ最悪」
だったのこと。
結局、その猫屋敷の住人はほどなくして引っ越しましたが、居場所を失った猫は餌を求めてさらに近所を荒らしまわるように。
そんな猫に悩まされた幼少期を送ったことから、母親は猫嫌いになってしまったのです。
そして月日は流れ、私が生まれて小学生になった頃。
「お隣さん猫屋敷問題」に続く、
「第二次猫事変」
が今度は私の家で発生します。
私は小学校低学年の頃、学校の飼育小屋から譲り受けたうずら4羽をそれはもう可愛がって飼っていました。
なんせ生き物を飼ったことがない私にとって「初めてのペット」。
4羽それぞれに名前をつけ、毎日大切に大切にお世話していました。
今でもその時のうずらたちの名前は忘れられません。
「しま」「ゆき」「くるみ」「タッツー」
最後の「タッツー」だけ「何があった」とは思いますが、とにかくこの4羽は私の家族も同然でした。
…とまあ、ここまできたらあとの展開は皆様の予想通りです。
4羽中2羽が我が家の庭でスプラッターホラーのごとく惨殺されました。
「鳥は首を失っても歩く」
というホラーすぎる豆知識をこの時強制的に刻み込まれた私。
母親が買い物に出ていたスキを狙った猫による犯行でした。
庭でゲージに入れたまま砂浴びをさせた私も悪かったのですが、ともかく買い物から帰宅した母が見た光景は、
「グロ映画のワンシーン内に佇む私(大泣き)と、愛鳥の首をくわえた猫(したり顔)」
でした。
元々猫が好きではない母親はこの出来事でスイッチが入り、
「猫と戦う」
ことを表明するようになったのです。
「戦うってどうやって…?」
と嫌な予感を覚えた方もいるでしょう。
しかし安心して下さい。
母親の戦い方は至ってシンプルかつ非暴力的です。
それは、猫を見かけたら
「とにかく目が乾くまで睨む」
ということです。
…決して小学生の遊びの一つではありません。
半世紀ほど生きてきた立派な熟年女性が、
今もド真剣にこれをやっているのです。
私も小学生のうちは母親と一緒にこれを実行していましたが、
年を重ねるうちに
「やっていることの馬鹿馬鹿しさ」
に気付き即刻止めました。
元々私は「ペットを殺されたトラウマ」を思い出すから猫が苦手なだけで、
猫という生き物自体は別に嫌いではありません。
友達の家の猫をだっこさせてもらった時は、
普通に「可愛いな~」と思いました。
ですが母親はどうでしょう。
先日私が所用をすませ帰宅中、家の前の路上で腰を落としてしゃがみ込む妙なおばさんを発見しました。
完全に不審者か、ゾンビ化する直前の人のようでしたが、近付くとそれはうちの母親。
恐る恐る
「何してるの…?」
と尋ねると、母親は向かいの家の庭にいる猫を指さし、
「目をそらした方が負ける―――」
と、ラノベに出てくるインテリ超能力者のようなことを言ってきました。
…何だか書いていて悲しくなってきました。
こんなに低俗な争いが私の家では
「マジで行われている」
のです。
猫ブームに沸く昨今ですが、「こんな人もいるんだ…」
くらいに引き気味で見守って下さると幸いです。ちなみに私はドン引きです。
・追記
先日猫を飼っている友人から送られてきた猫写真があまりに可愛かったため、試しに母親に見せた所、
フンッと鼻を鳴らした後、
ちょっと顔をそらして
「……可愛いじゃん」
と呟いていました。ツンデレか。