高城玲のまんが置き場

新人漫画家の思うことだったり告知だったり。

最近感銘を受けたもの①「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ

 

こんにちは。

初夏のどさくさに紛れてしれっと改名しました。

高城玲です。

(高城と書いて「たかぎ」と読みます)

 

「いや、誰やねん」という方、大丈夫です。

なぜなら、改名したはずの本人が一番「誰やねん」状態だからです。

 

というのも、このブログはずっと

「こんにちは、きいです。」

から始めていたので違和感がすごいです。

 

 

なぜ急に改名したかというと、

投稿用ペンネームと名前を合わせたかったからです。

(漫画投稿やグーグルアカウントなどに使っていた名前は元々「高城玲」でした)

 

その他にも、

「きい(苗字なし)」だと何かと不便なことが多かったので、

これを機に全ての名前を統一しようと思いました。

 

しばらくは違和感がすごいとは思いますが、

高城玲、たかぎれい、

タカギレイ、TAKAGI REI

をどうぞよろしくお願い致します。

(しつこい)

 

 

 

…という訳で、気持ち新たに始まりました。

「最近感銘を受けたものシリーズ」。

 

密かにずっとやってみたかったのです。

 

私は元来、非常に影響を受けやすいタイプでして、

特に素晴らしいと思える創作物に出会った日には、一日中そのことばかり考えています。

 

なので、この「感銘シリーズ」はそんな私の感動のはけ口として、

ただただ「良かった…!」と思えた創作物について一方的に語るというものです。

 

評論や分析などといった大層なものではなく、あくまで「ここがすごかった」

ということを伝えたい、語彙力低めの感想文なので、その辺りはご了承ください!

 

 

 

記念すべき(?)第一弾は、

カズオ・イシグロさんによる長編小説

「わたしを離さないで」

です。

(原題:Never Let Me Go)

 

www.hayakawa-online.co.jp

 

 

目次

 

 

カズオ・イシグロさんといえば

 

2017年にノーベル文学賞を受賞したことで記憶に新しい、日系イギリス人の作家さん。

 

長崎で生まれ、5歳で渡英してからはイギリスを拠点に活動されているようです。

 

ノーベル文学賞以前にも、

英語圏最高の文学賞」とまで言われているスゴイ賞を受賞されたスゴイお方。

(語彙)

 

 

しかしそんな巨匠、カズオ・イシグロさんの本は、

私の自宅では長らく「積ん読本」として放置されていました。(おい)

 

それが先日、たまたま

「わたしを離さないで」

が目に入ったので、暇つぶしに読んでみようとなったのです。

 

 

そしたら、まぁ大変。

 

あっという間に引き込まれ、

四六時中文庫本が手放せなくなりました。

 

要するに、めちゃくちゃ面白かったのです。

 

暇つぶしどころか、

やらなくてはいけないことまで見事に潰れました。

 

 

物語のあらすじ(ネタバレなし)

 

さて、

この「わたしを離さないで」。

 

どこがすごいと思ったのか書く前に、簡単なあらすじを説明します。

(ネタバレは極力避けますが、前情報ゼロで読みたい方はここでストップして下さい!)

 

 

 

「介護人」と呼ばれる仕事をしている主人公のキャシー。

彼女は「ヘールシャム」という名の施設で仲間たちと共に育った。

物語は彼女が施設で過ごした幼少期を懐かしむ回想からはじまる。

何やら普通の教育施設とは違う様子の「ヘールシャム」には、実は隠された秘密があり…

 

…とまぁ、ここまでで気付く方も多いとは思いますが、

この「ヘールシャム寄宿学校」というのが、

なかなかクレイジーな施設なのです。

 

 

あらすじだけ見ると、

「サスペンスとしての面白さがすごいのか?」

となりますが、(実際読む前は私もサスペンスだと思ってた)

今回の推しポイントはそこではありません。

 

この作品の本当にスゴイ所は

「キャラクターの心理描写の独特さ」

にあるように思うのです。

 

 

普通、

「謎めいた施設で暮らす主人公たちの物語」を描こうと思ったら、

「施設の秘密」はなるべく引っ張っておいて

終盤で「実はこんな真相がありましたー!」

バーン!と読み手に開示すると思うのです。

 

しかし、「わたしを離さないで」では、

施設の秘密というのはわりと序盤に明かされます。

 

なので、

この物語は「サスペンス」ではなく、

「育った施設の秘密を知った主人公たちが、その後何を考え、どう生きていくのか」

という生き様を描く「ヒューマンドラマ」になるのです。

 

そのため「キャラクターの心理描写」が何よりも重要になってきます。

 

 

独特すぎる心理描写がスゴイ!

 

あえて「独特」という言葉を使ったのには訳があります。

 

というのも、この小説。

私が今まで見たことがない心理描写のされ方だったのです。

 

 未だにどういうものか言語化できないのですが、

あえて誇張して言うなら

 

「キャラクター全員が本音を話さず、察してほしいオーラを汲み取りながら会話している」 といった感じ。

 

 

どういうこと???

となるかと思われますが、絵で説明するとしたらこんな感じです。

 

 

カズオ・イシグロさんの心理描写

 

 

いや、だからどういうこと!!?

 

(余計分からなくなった)

 

 

強いて言うなら、漫画などでよく見る

「お前ら心の声で会話してんじゃねぇか」

が一番近いかもしれません。

 

それをもっと現実的に、違和感なく描写した感じです。

(説明の限界)

 

…と、ここまで書いて気付いたのですが、

この「本音を話さず察してほしいオーラ全開」って

めちゃくちゃ日本人ぽくないですか??

 

 

カズオ・イシグロさんは日本生まれとはいえ、イギリスで育ち、イギリスの作家さんとして活動しています。

ご本人も英語のインタビューで「日本語は流暢に話せない」と語っておられます。

 

 

それでもやっぱり、

ルーツである「日本ぽさ」がここまで強く出ているのは、とても面白いな~と思いました。

 

 

…ということで、

「感銘シリーズ」第一弾は以上です。

 

なんだか全然うまく説明できなくてすみません…

 

気になった方は是非とも小説を手に取ってみて下さい!

 

次がいつになるか分かりませんが、

ぽつぽつこのシリーズも上げていけたらと思います。

 

それでは、本日はこの辺りで失礼致します~!